聴き手の想像力とあそぶ芸
- ono chizuru
- 2 日前
- 読了時間: 2分
先日、初めて寄席にいってきました。
創業嘉永六年、東京で一番大きい着物屋さん
白瀧呉服店が開催する文化祭でのこと。
3週に渡って和文化に触れる様々な催しがあり
その特別企画として
立川志の輔さんの落語が行われたのです。

びっくりしました。
志の輔さんが登場して
しばらく世間話をしていたかと思ったら
その0.5秒後に急に落語がはじまり
くるくると登場人物に七変化していく。
座布団一枚が敷かれた壇上に
何か仕掛けがあるわけではないのに
何人もの人や、場面が想像できる。
「千両蜜柑」という話の中では
みかん問屋の蔵が見えるし
番頭さんの様子が有り有りと見えるし
手にしているみかんの房が見える。
話し手の声や、表情や、間の豊かさにいざなわれて
聴き手の想像力を使いながら
オチへ向かっていくという、
この日本の伝統文化。
AIだタイパだなんだという時代に
その逆を行くようなこの落語という世界。
暖簾を守るということや
商人の使命感のようなものを扱う
この演目を選ばれた志の輔さんの心意気と
それを受け取る白滝の店主さん、
どちらも素敵で
なんだかとても
人間味を感じた時間でした。
そして
相手に想像しやすいように話を進めるって
こういうことか!と
そういう点でもとても学びになりました。

Comments