新しい扉
- ono chizuru

- 2 日前
- 読了時間: 3分
クライアント先の、ある営業パーソンの話。
4年前に彼が中途採用で入ってきたとき、
ビジネスマナースキルの確認がてら
名刺交換をしてみたら
大きな身体に小さな声で
名刺交換の短い時間に
"すみません"って言葉を5回も使っちゃうような子で。
がんばってあの手この手で関わってきたけれど
営業数字は予算に全く追いつかない。
なんで彼は営業という仕事を選んだのだろうなぁ
なんて思ってしまったりもした。
良いところはあるのに、
この会社の中で
どうそれを活かしてあげられるのだろうか。
私は毎月数回、関わりを持ち、
会社の皆さんに至っては
そりゃ〜もう
かなり手を焼きながら接したけれど
彼のモチベーションは小さく上がったり
大きく下がったりを繰り返し
1年前、転職活動をしたそうです。
でも、
仕事に対しても
自分自身に対しても
後ろ向きな彼なので
30歳という若さがありながら
転職先が決まらなかったよう。
そんなウワサは聞いていましたが
私のクライアントは、その「企業さん」ですし
転職関連については一切触れずに
彼と接していました。
でも彼が
いよいよ本気で自分自身と向き合う覚悟をしたのは
感じとりました。
そして
私は彼に、ある事を
毎日してもらいました。
それは
「自分自身と他者に対しての
きょう感謝したこと」を
毎日LINEで私に送ること。
そんな些細なことなのですが
3ヶ月間続けたそれは、
彼の自己効力感を高める
大きなきっかけになったようで。
1 on 1の度に
彼が自分と向き合おうとしているのが伝わってきて
コーチングが効いてきているのを
実感していました。
その結果
彼は、いつのまにか
やりたいことを見つけていて
それが叶いそうな会社に
転職することになったんだそうです。
この会社での経験も活かし、
新しいところで1年後には
こんなことを成し遂げたいという
ビジョンを話す彼。
そのほかにも何社も内定が出たとのこと。
1年前は、1社も決まらなかったのに。
自分で自分が好きになったし、
自分が明るい人間になれたことが嬉しいと、
張りのある声で
感謝してますと言われました。
小さな会社で1人いなくなるということは
大きな痛手である。
けれど、
毎月予算の半分以下しか売れないのは
本人も会社も辛い。
彼が未来に希望を持って飛び立ったので
その分、
その会社にできたスペースには
きっと新たな出逢いがあると信じている。
最後に彼はこう言いました。
「本当にありがとう」
すみませんをあんなに連発していた彼からの
その言葉。
自分の中で心の底から
"変わる"と決めると、
こんなにも変わるのか…!
これだから
ひとと組織に関わる仕事はやめられない。
大丈夫、
彼の未来も
その企業の未来も
きっと明るい。





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